7'scarlet考察
無事トロコンまでいったので考察をしていこうと思います。
ネタバレしかないのでご注意いただければ。
まずは奥音里について
奥音里では猫が町の守り神とされています。
猫には多くの都市伝説が存在します。
その中に「猫は死人を生き返らせる」という伝説があります。これは江戸時代の猫叉にも通ずるものがあるのですが、猫は死期が近い人や死んで間もない人に近づく、と言われています。
その反面、白猫には「白猫を見ると幸運が訪れる・病が良くなる・寿命が延びる」と言ったプラスイメージになる伝説が存在します。
カグラの行動において、猫のお面をつけていた点、風厘館の庭に通っていた白猫を追い払った・殺した点は、この伝説に当てはめると納得かなぁという感じです。
また、奥音里はCの形、三日月の逆の形をしています。
本編中でも触れられていましたが、月は陰を象徴しており、月の三相、上弦→満月→下弦は、生→死→再生を意味しています。つまりこの町の形は「死」から「再生」に向かう途中の月の形になっています。
余談ですが、奥音里に着いてからヒノと入ったアクセサリー店で、ヒノがイチコの好みを当てるシーンの選択肢が「白ネコのブローチ」「三日月のペンダント」「紫の花の髪飾り」というのも面白いなと思いました。
ここからは、主に記紀を参考に各登場人物を考察していきます。
※全体を通して八岐大蛇=屍葬組と考えています。
花蒔イチコ
→コノハナサクヤヒメ
イワナガヒメの妹、ニニギの妻。
桜の花が咲くように美しい女性。
東海道中膝栗毛の中で、巫女がイチコと呼ばれているのですが、関係あるのかないのか判断がつきませんでした。巫女ではないんだよなぁ…
ただの苺との洒落…?
迦具土ヒノ
→カグツチ
ハナテ√で紫姓草を焼き払って全てを終わらせた張本人であり、いかにもヒーローキャラなところは火の神たりうる点でしょうか。
甘梨イソラ
→安曇磯良
海部の祖神。
長く海中に住んでいたため、牡蠣などが顔面に貼りついて、醜い姿であったとされています。
一番有名なのは太平記の逸話だと思うのですが、いまひとつセブスカのイソラとリンクしない…
辛うじて、自分の醜い姿を見せたくないと海中に引きこもっているところが、イチコを守るために地下に閉じ込めるところに通ずるのかな、と。
正直イソラは良くわからないです…もしかして雨月物語のイソラの方…?
あと、苺の名前の由来に蛇が関わっているのもちょっと気になります。イチコが泳げない理由は幼いときにカグラに川に突き落とされたから、というものでしたが、川の神(水神)の象徴って蛇なんですよ。苦手なものがとことん蛇って…ハナテ…←
櫛奈雫トア
→クシナダヒメ
8人娘の中で最後に生き残ったのがクシナダヒメ=アークゼロが解散した後ソロ活動をする
素戔鳴尊に櫛に姿を変えられる=ユアが事務所のオーディションに応募してエイトになる
という意味に取れると思います。
アークゼロ
脱退したのはツヴァイ(2)とのことですが、2は陰と陽を意味する数字と言われています。そんな数字が抜けたことでバランスが崩れたのかなぁと思ったり…
これは、父親が屍葬組である、そしてソウスケ自身が医者を目指している、ということに繋がるのかなと思います。
叢雲ユヅキ
→天叢雲剣
素戔鳴尊が八岐大蛇を切り刻んだ際に八岐大蛇の尾から出た剣ですが、これはユヅキが屍葬組を抜けることを指しているのだと思います。
ユヅキを漢字表記にすると夕月のようですが、夕月という言葉は三日月と同義に扱われることもあるそうです。
ノーマルエンドでなんとなく強調されてるな〜と感じた「明るい三日月」は、屍者となったユヅキを表しているのかな、と思ったり。
須佐野ユア
→素戔鳴尊
八岐大蛇伝説においての素戔鳴尊の行動を元に考えると、
八岐大蛇(屍葬組のソウスケ父)を倒した
クシナダヒメを安全な八重垣に隠した=トアを匿った
といったところだと思います。
月読カグラ
→ツクヨミ
月を神格化した月の神。
先にも書きましたが、月は陰の象徴です。
屍者になるべくしてなった人、としか言えないです←
久々利ヤスヒサ
→ククリヒメ
叢雲家と風厘館の間にいる彼の立ち位置を表しているのか…ククリヒメってほとんど資料がないから分からないことが多いんですよね…
比良坂ユキ
→黄泉比良坂
生者と死者を結ぶ場所。
奥音里禁忌倶楽部の管理人であり、屍者が必ず訪れる風厘館で働いている彼の存在こそ、まさしく黄泉比良坂そのものと言えると思います。
烏丸チカゲ
熊野はあの世の入り口とも考えられているため、八咫烏は魂を運ぶ鳥とも言われています。
ユヅキに屍葬組の新たな在り方を導いたツヅリ、ツヅリへの想いを胸に奥音里に訪れたチカゲ、といったところでしょうか。
夜刀神ハナテ
→夜刀神
蛇神。
ヤトは谷あいの低湿地を意味しており、夜刀神は低湿地を守護する土着の神とも言われています。紫姓草の管理人である彼そのものですね。
本来イワナガヒメの呪いは「永遠に生きられなくする」というものですが、セブスカでは逆の「永遠に生きることができる」という形に変わっています。
しかし、ハナテ√の最後、「to say goodbye is to die a little」の文字が出たときにはゾワッとしましたね。
「さよならを言うのは、わずかのあいだ死ぬことだ」
レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』の中に出てくる一節です。
どう物語をまとめるのかと思いましたが、この一節のおかげで綺麗にまとめ切って終わったかなという印象です。
最後にタイトルの意味
最初はハナテも含めたルート数?と思ったのですが、スカーレットの意味が説明出来なかった…ので、別の意味を考えてみました。
紫姓草は紫ですが、屍者が現れると紅に変わります。
スカーレット=屍者と考えると、この物語全体で登場する屍者は、
ハナテ
カグラ
トア
イソラ父
ツヅリ
サクヤ
ノーマルエンドのユヅキ
の7人となります。なので、
7つの紅色の紫姓草=7'scarlet
ということなのかなぁ、と。
気になっていた伏線は全部回収出来たので気持ち良く終われたように思います。
私は!ソウスケと!スコーンを食べに行きたい!
以上です。